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閉所恐怖症 その6

(その5からつづく)

ビックリハウスの閉鎖的な建物構造や内容が恐怖症になったきっかけ要因であると改めて自覚できましたので、同じタイプのアトラクションに挑戦しようと計画しました。しかし、それを考えるだけで恐怖心が高まってしんどくなりました。やはり徐々に恐怖に慣れていく戦略で行こうと決めました。

 

次に広いけれど暗い場所として挑戦するのは映画観賞に決めました。吉本新喜劇や劇団の公演より総じて映画館は暗いので、恐怖の段階としてはより高くなります。まずは平日の空いている時間帯を選んで、端っこの席を予約して映画鑑賞をすることにしました。米国の映画鑑賞から始めました。特にあらすじがわかりやすく、アクションやロマンス系統でハッピーエンドの2D映画を選択しました。


実際に映画館に行き映画を観ると、予告編は疲れるものもありましたが、本編が始まると、米国映画特有の迫力や楽しさもあり、パニックが起こらずに、最後まで観ることができました。吉本新喜劇や落語などと同じような感じで、この傾向は大丈夫であるとの確信を持てるようになりました。この暗さでも耐えられるということは、大きな発見でもありました。


しかし、やはりそんなに甘くはないのです。ビックリハウスで出ていたような効果音や単純なストーリーの反復、スリラーものはパニックが起こってしまいました。途中で一旦外に出て、パニックがおさまってから、違う場面になってからまた鑑賞するというパターンとなりました。特に制作費を抑えた映画は、なぜかパニックの頻度が高くなることもわかりました。よく考えると、撮影技術や音、構成などが独創的なので、予想を超えた展開になる事もあり、それがパニックの要因の一つになることも学びました。


映画は、私の閉所恐怖症に対する曝露法の実践にとっては、とてもよい環境でもありました。しかし、やはり限界もありました。もう大丈夫だと思って鑑賞すると、パニックが急に起こることもあり、曝露法などでは、限界があるのではと少し不安になったのも事実です。それでも、当初の状態から比べるとかなりよくなって、うまく刺激をかわせるようになって耐える事もできるようになっていました。ここまでパニックを抑えることができるようになったのでこれで大丈夫、成功と言い聞かせていました。少し不安はありましたし、小さな部屋で真っ暗は相変わらずダメでしたが…。しかしその後、思いもよらなかった趣味が、恐怖症から解放させてくれたのです。(つづく)