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閉所恐怖症 その1

私は若い頃に閉所恐怖症になったことがあります。現在は克服できましたが、恐怖症と名がついているだけになかなか大変でした。一時期は、ビジネスホテルなどでも小さな部屋に泊まると汗が出て苦しくなり、部屋をツインの部屋などに変えてもらわなければならないくらいでした。


このような体験を友人や知人に話すと、案外同じように悩んでおられるケースもあり、驚いたことがあります。どうやら私のように閉所恐怖症で現在も苦しまれている方もおられるようですので、今回は、これをどのようにして乗り越えていけたのかを書いてみたいと思います。


まず私の場合、閉所恐怖症を発症した健康上の背景として考えられるのは、当時愚息の発達や病気の問題、そしてそれから派生する不安、疲労と対応、家族の問題、当直勤務などの職務上の厳しさなどもあり、疲れやストレスがたまっていたことだと思います。


そして、発症のきっかけになったのは、子どもをリラックスさせようと疲れた体のまま遊園地に行った時のパニック経験だと覚えています。それはビックリハウスのようなアトラクションに参加した時、閉鎖された空間の中で椅子や机が不安定に動き、目がまわるような感覚に襲われていました。その時愚息も少し怖がったので、外に出してもらおうとしたのですが、その後5分以上出れませんでした。その間、息子だけでなく近くにいた子どもさんも怖がり私にしがみついて泣いていました。


私も、子どもたちを宥めながら早く出してもらうようにお願いしたのですが、アトラクションを止めることができませんでした。子ども2人を両腕で抱き上げて、前の出口に近いところに移動しようとした時、子どもの金切り声が私の耳横で聞こえて、一時的に耳が麻痺してしまいました。そして、アトラクション中でしたが、子どもを抱えて外に出たのですが、その時全身に汗が出ていて、子どもを安全なところに座らせて離れた時、今まで感じたことのないパニックのような状態になったのを覚えています。


その時は、なんとか治って不安などは感じなくなったのですが、その後出張の際、満員電車内で徐々に汗が出て、動悸や不安が高まり、パニックになりそうなのを我慢して抑えて苦しんでいる自分がいることに気づきました。いったい何が起こったのかわかりませんでした。そしてビジネスホテルにチェックインしたのですが、狭い部屋に入って鍵をかけるとだんだん調子が悪くなり、頭が狂いそうなくらいの気分になりました。朝までなんとか耐えたのですが、ここで自分は閉所恐怖症であるのではないかと思ったのです。


家族や親族にこのようなことになった人はいないか相談してみましたが、だれもいませんでした。その後も、だんだんひどくなり、鍵のかかる小さな部屋や高層マンションのエレベーターでも軽いパニックとお付き合いしなければならなくなっていきました。我慢できることも多いので、遊園地の経験から5年以上経ってから友人の専門家に相談すると、本物の閉所(暗所)恐怖症であるとのことでした。確定したので、自分で時間をかけて焦らずコツコツ治すことにしました。暴露療法(エクスポージャー療法)と認知行動療法をうまく応用して治していく戦略を立てました(つづく)