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かんしゃく

かんしゃくについて悩んでおられる方が最近多いので、少し書いてみたいと思います。

癇癪(かんしゃく)は、欲求不満や怒り、苦痛に対する反応として、子どもが示す一時的な感情的爆発です。具体的には大声で泣き叫ぶ、手足をばたつかさせる、物を投げるといった行動が認められることが多いです。これが癇癪といわれる反応です。

そして基本的に癇癪は2歳から5歳までくらいに多く起こりますが、6歳から12歳くらいの学齢期に入るとかなり減少しますし、癇癪の時間も短くなっていきます(15分を超えることはなくなります)。しかし、16歳くらいまで癇癪が続き、身体的攻撃性を伴い感情を爆発させる場合は、治療的な対応も必要になる場合もあります(このようなケースではACTH(アドレノコルチコトロピンホルモン)等の内分泌系の問題が隠れていることなども結構ありました)。年齢によっては治療的な対応の必要性も出てきます。

また癇癪は、言語発達とも連動していることがあります。言葉で自分の要求や気持ちを伝えられないと、欲求不満に繋がって癇癪を起こすことがあります。場面緘黙などの子どもさんが癇癪を起こしやすいのもこの言語の問題が背景にあると言えます。ただし、言語能力が発達してくると、次第に癇癪が減少してきます。癇癪の予防には言語の学習も重要なのです。

余談ですが、高齢になると老化により前頭葉の機能や言語能力が低下して癇癪を起こしやすくなります。日頃から言語能力を鍛えながら、ストレスの発散ができるようにしておけば、癇癪は減少させることもできますね。子どもだけでなく年配者にも癇癪は起こります。日常会話を大切にです。

また、癇癪は視覚認知能力の問題が背景に隠れていることもあります。癇癪でお困りの子どもさんの相談をよく受けますが、視覚認知能力の発達に課題があることも多いです、それは視覚から脳内の情報処理の問題が発生して認知の混乱による怒りや不安などを感じて一時的に感情を爆発させてしまうのです。具体的には相手の表情がうまく読み取れなかったり、聴覚情報だけに頼ってしまい、結果として状況判断がうまくいかず失敗を恐れて、癇癪を起こしていることもあります。言語だけでなく視覚認知能力も影響していることがありますね。

加えて癇癪は、生理的欲求、発達段階、感情や認知の発達、気質、学習経験、育児のスタイル、家庭環境など様々な領域が複合的に影響されて起こります。多くの場合は、成長にともなって落ち着いていきますが、学齢期になっても頻度や激しさによっては、発達上の課題や精神上の問題などが隠れている場合があります。将来の不適応リスクにつながることもありますので、放置せずに早めに医師や専門家に相談されることをお勧めします。弊社でも癇癪などの問題に対応できる技術がありますので、お気軽にご相談いただければと思います。

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