情動とは、恐怖や怒り、悲しみ、喜びなどの急激で一時的な感情の動きを示します。感情は気分や情緒など、持続的な心の状態とされ情動とは区別されることが多いですね。弊社にお越しになられる、非行や発達に課題のある方の相談は、感情よりも情動に関する問題がほとんどです。
情動は刺激により、急激かつ一時的に生じて、比較的短時間で治まります。そして、脈拍の上昇や発汗、顔色の変化、呼吸など身体的反応を伴うこともあります。そして、攻撃的になったり、逃避的になったり行動の変化を伴います。これは誰にでも起こることです。
しかし発達に課題を抱える方によくある恐怖や怒りといった情動反応は、突然の出来事に驚いて、必要以上に反応が出てしまうことが多いですね。例えば、私なら別に怖くない程度なのですが、本人は自転車が横から急に飛び出してきて怖がる。予告されているにも関わらず、先生が急にテストをしたなどと、必要以上に恐怖や怒りを感じられるのです。このような情動反応からパニックを起こしたり、必要以上な攻撃行動に移ることもあります。
加えて、社会性の問題から本人は悪気がないのにも関わらず、結果的に社会的失敗が起こりやすいため、どうしても不当な扱いを受けやすくなります。それに対して怒りを覚えて攻撃行動にでることもあります。どこに行っても相手にしてもらえないとケースは、このような情動上の認知システムの課題を理解してもらえてないことが多いのです。
私の経験で申し訳ないのですが、確かに発達に課題のある方は例えば怒りをコントロールすることを目的とした認知行動療法が効きにくいのです。私の技術の問題もあると思いますが、発達に課題のない方には、効果は出るのですが、発達に課題のある方には、なかなか効果を実感することは難しかったのです。なぜ効きにくいのか、実践から追求していくと、それは情動反応の認知システムの根本的なところに問題があるからだと気づきました。
そこで、ジェームズ・ランゲ説や情動の二要因説など情動のさまざまな理論を研究して、認知システム的な視点から発達に課題のある方の情動反応に接近していきました。基本的には、刺激が感覚器から入り大脳辺縁系の扁桃体で情動が処理される認知システムに注目していきました。ここで、弊社の開発した認知リフレーミング技術を活用することによって、発達に課題のある方の怒りや不安などの情動上の問題をコントロールできることがわかり、現在のプログラムに繋がっています。
これらの情動に対するプログラムは、とても複雑なので、ここではご説明できませんが、さまざまな恐怖や怒りやなどからくる問題行動でお困りの方がおられましたらご相談いただければと思います。あるタイプの場面緘黙などにも対応できますのでご相談ください。
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