心理テストは基本的に心理学者さんたちが数量化させて作る素晴らしいものです。ただ数学的なロジックとしてはある意味でGDP数値のようなもので、完全に説明はできないところもあります。しかし、とても実務的に使えますし、多くの方が利用されているので、信頼性は高いです。その中でもディスクレパンシーは、個人内の問題を理解するには、とても実践的なデータになります。完全に数量化されていなくても使い方なのです。
基本的にこのディスクレパンシーは、介入では変わらない、変わりにくいという言説が主流ですが、トレーニングなしでも、視覚認知への介入が成功するととても数値が上昇して、バランスが回復します。人格が大きく成長します。そうすると、結果的に社会性やコミニュケーション能力が向上して、社会適応能力が改善します。
例えば、WISCで迷路が1とか符号が1(他は10前後)などいうデータが出ていると、やはりとても社会的な活動が辛くなります。精神的にも不安定になりやすく、不登校などといった問題も出てきやすくなりますね。しかし、ここがポイントで視覚認知能力への介入プログラムを行うと、半年もしないうちに変化が出てきます。プログラムでは、迷路とか記号などをターゲットにした訓練は一切行いません。
しかし、介入が成功すると、認知バイアス(確証バイアス、完全思考など)が変化して、不登校などから離脱していきます。そして、1年後に心理検査を再度行うと、迷路が10、記号が9くらいまで回復します。行動が変化しているので、この数値も納得です。とくに動作性知能は介入しても改善しにくいと思われていますが、そんなことはありません。
ですので、心理テストで極端なデコボコがあっても、それが、プログラムのターゲットに活用できると考えてください。心理テストも使いようですね。トレーニングするのではなく、認知機能のシステムを強化していけば、道は見えてきますよ。
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