読者の方から、薫化舎の特許技術はどのような科学的な理論がベースにあるのか?というご質問をいただきました。
薫化舎の開発した特許をベースとした認知リフレーミング技術は、認知科学がベースになっているといってもいいです。
私は、犯罪学(特に犯罪者処遇論)を長く研究・実践してきました。昔は行動主義によるプログラムが犯罪者処遇でも全盛だった時代がありました。しかし、かなり昔ですが処遇効果評価研究が出てきて、これらの処遇効果が否定されました。その結果、処遇悲観論がメジャーになり、日本でも矯正教育が後退していた時期もありました。しかし、その後SR(システマティック・レビュー)レベルの処遇効果評価研究が出てきて、認知行動療法等の効果は認められることが指摘されるようになってきました。
確かに、現場実践レベルでも行動主義的(意識や思考は扱わない・刺激と反応・学習は古典的条件付け・オペラント条件付け)なプログラムの限界も少し感じていました。その様なときに、欧米で処遇効果評価研究などが盛んになり、反行動主義(思考などを扱う)とされる認知科学の影響を受けたプログラムが効果的であることが指摘され、その影響を私も受けていったのだと思います(効果的であるとされる認知行動療法は思考のバイアスをターゲットとしますので、認知科学の領域に入ります)。
特に認知科学は、人間の認知機能は計算可能か(北原義典による)という視点をもちます。認知機能を情報処理の問題ととらえることができるので、実践ではとても使いやすくなりますね。
開発した認知リフレーミング®技術は、認知機能の視覚情報入力の処理の問題にターゲットをあてて、視覚バイアスや味覚バイアス、聴覚バイアスの測定と修正を行い、認知バイアスも修正するものです。現在は、光と情報入力の数的処理研究を行っています。昔はパソコンの性能が足らずに諦めていたデータ処理が現在では手軽にできるようになったので、これができればもっと問題を解決しやすくなるので、今後が楽しみでもあります。
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