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非線形モデルでプログラムを作ること

子どもが抱える様々な問題を改善するためには、行動パターン分析や問題行動の収束予測、個人の発達課題の改善予想などを行う必要があります。薫化舎は医学、心理学、教育学などのデータを統合し、非線形モデルを使ってプログラム開発に利用しています。

 

統計学には、データ間の関係性をモデル化する方法は多くあります。その中で最も基本的なものは線形モデルといいます。線形モデルは二つの変数間の関係が直線で表現できる場合に使われますね。中学生の時に習った一次方程式をイメージしていただくと分かりやすいと思います。


例えば、気温が上がればかき氷の売り上げが上がるとか、学習時間が増えると学習効果も向上するなどという関係です。ただし、これらの関係はある範囲内では線形的に近似できる場合があるということになります。


また、学習時間を増やして学習効果も増やす場合には、個人の能力や学習方法、教材の質、個別学習などの様々な要因が、学習効果に影響を与えるため注意も必要です。このような線形モデルでは、社会現象などをとらえるには、有効なツールなのですが、近似値的なものなので活用には限界もあることが分かると思います。

 

このように現実の現象は、線形的な関係で説明できるものばかりではありません。多くの場合、変数間の関係は複雑で、直線では表現できない曲線や多項式、指数関数などを用いたモデルが必要となります。このようなモデルを非線形モデルといいます。


薫化舎のプログラム作成は、医学データ、心理学データ、行動科学データ等と独自の認知リフレーミング技術から得られる情報(CRIS®)を分析に活用します。例えば、心理テストや行動データから、個人の性格、学習能力、運動能力、価値観などを非線形モデルで分析します。そして、詳細なプロファイルを作成します。これにより、クライアント様個々人の特性に合わせた、学習方法・訓練方法・ライフコースケアプランの一部などを提案するための根拠として活用します。

 

また、問題行動や不適応行動などに対しても、CRIS®からのプロファイル情報がCROS®というオペレーティングシステムに伝達されます。ここで、将来の行動変容や問題行動の減少予測のためのプログラム(CRTP®︎)策定に使用されます。この時に弊社のリスク・ニーズ数量化処理技術が使われています。ライフコース上に派生する様々なリスクやニーズを特定して、その影響度とそれに対するプログラムコストを数量化しています。コスト・ベネフィットを推定しています。

 

このように、薫化舎は統計学上の線形、非線形モデルを応用して、個人の課題やニーズに合わせた細かなサポートをご提供できるように、データの蓄積とプログラム開発に日々努力を重ねています。

 

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