障害児の父親として、子供を育てていていつも感じていたことがあります。それは、発達関係の問題に対するカウンセリングや行動療法などを受けても、わが子が良くなった、改善したというのが、なかなか実感しにくかったことです。
息子のてんかんの治療は、医師による素晴らしい治療がなされて、てんかん発作がコントロールできたことや、脳波のデータの改善などで治療効果がよくわかります。しかし、発達の課題に対するプログラム効果は、学力以外なかなか効果が見えにくいので不安になったこともありました。
以前にもご紹介しましたが、効果的な認知行動療法といえども、非効果的となってしまうプログラムもありますし、効果の高いプログラムでも現実には効果を感じ取るのは難しいのが実際でした。息子と一緒にプログラムをやっている私から見れば、行動や思考が良くなって成長しているのではないかと思うのですが、データ的には問題行動は減少していなかったり、心の問題が増えたりしていました。また頑張ってるつもりですが、私のかかわり方が悪いから効果が出ないと叱られたこともありました。
これはプログラムがきちんと実行されない状態になっていることになります。それはフィデリティ(fidelity)といって、技術移転の忠実さといわれる質の問題に行き着いてしまいます。やり方によっては、せっかくのプログラムが無駄になることもありうるということです。
実際にエビデンス上効果のあるとされるプログラム(例えばFFTとか)でも、修士課程修了の方がプログラムを行うと、かえって効果が悪化してしまい、博士課程修了の方が行うと効果が出るなどの研究があります。要するにプログラムの質の維持が大切なことがわかります。このような事もありますので、親としてはいくら良いプログラムでも実際の効果の可視化という視点の大切さを痛感していくわけです。
そこでこれらの経験から、薫化舎ではできるだけ効果を可視化できるようにしました。プログラム開始前に、医学的、心理学的等の数種類のマルチモーダルなデータを取得します。加えて、悩みや問題行動等のデータも加え分析して、プログラムを策定します。プログラムが進むにつれて前記のデータに加え、日常生活の観察データを取得し、効果を測定しながらプログラムの修正も行います。このようにプログラム効果をデータや行動観察などをベースにデータ比較などを通して効果を可視化をしてクライアント様にフィードバックします。そしてプログラム実行するモチベーションや自己理解などにもつなげていくように工夫しています。
加えて、弊社の認知リフレーミング技術は、特性がマッチングした場合、視覚認知反応が高いレベルで自覚できます。反応のレベルはありますが、その時点で自分の視覚認知上の問題に気づけます。ですので、今後のプログラム効果を予測できるとともに期待できます。これが、一番大きな可視化でもあると開発者として自負しています。
このように、確実に効果を出すプログラム開発に合わせて、可視化も重視しています。やはり良くなったということがわかるというのはとても大切だと思います。そのようなサービスのご提供ができればと日々研究していますので、興味のある方はいつでもご連絡ください。
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