薫化舎グループは社会的企業ですが、株式会社としての柔軟性を維持しながら事業を行っています。マーケットの中で自由度が高いので、行政サービスの力の届きにくいところまで、小さな社会的セーフティネットの役割も果たせるようにビジネスを設計しています。
社会的セーフティネットとは、社会が提供する「安全網」のようなもので、誰もが安心して暮らせる社会を実現するための重要な仕組みです。社会的セーフティネットは、様々な種類の網で構成されています。それぞれの網が異なるリスクに対して私たちを保護してくれています。生活保護や失業保険、教育支援などの社会保障費等を活用して行われるものですが、様々な種類の社会的リスクが増え、それに伴いニーズも細分化され、公的なサービスが行き届かないこともあります。
薫化舎は、このような大きなセーフティネットを張ることはできませんが、個人のライフコース上のリスク-ニーズに対応するサービスをご提供することに力を入れています。発達障害の有無に関わらず、経済的、社会的自立のためのプログラムをご提供することによって、生活困窮や失業などリスク予防という視点から社会的セーフティネットの機能を少しでも果たせるのではないかと考えています。学習障害や発達障害があっても、あくまで経済的自立と社会的自立を目指したい人もおられるので、リスク予防の視点からそのニーズに対応しています。
リスク予防をすれば、社会的セーフティネットの役割である、生活の安定化、社会参加の促進、貧困の防止、社会の安定化を予防的に行うことができます。
加えて近年、少子高齢化や経済のグローバル化など、社会環境が大きく変化していますので、社会的セーフティネットにも新たな課題が生じていると指摘されてます。社会保障費の増加による財源の確保。多様なニーズの増加による制度の複雑化。非正規雇用者の増加などが、新たな課題ですね。
薫化舎グループは、社会的セーフティネットの役割として、発達に課題を抱える方や社会適応が困難な方に、リスク予防プログラムでもある、マルチモーダルインターベンションシステム®︎をご提供しています。そして、認知リフレーミング®︎技術などを開発してプログラムとしてご提供し、多くの方々を正社員、起業家として自立させてきました。これは、少しですが社会保障費をセーブし、新しいニーズに対応して、非正規雇用から離脱させ、新たな課題にも対応できるようにプログラムを進化させています。
特に、病院の治療などでも難しいタイプの方も高校の卒業支援と就労へと繋ぎ、経済的にも社会的にも自立させています。プログラムを投資と考えたときには、大きなリターンを生み出していますね。
実際、相貌失認、難治性睡眠障害、学習障害、ADHD、自閉症スペクトラム、統合失調症などの方もライフコースケアで、一部上場企業、国家公務員(大卒、高卒)、医師、獣医師、薬剤師、管理栄養士、エッセンシャルワーカーなどの専門職や起業家として、経済的にも社会的にも自立されています。単純に生涯賃金をリターンとして計算すると、ライフコースケアプログラムでは、総計約200億円以上の社会的リターンを生み出せてると思います。
社会全体としては、とても小さな活動ですが、障害などがあっても自立したい、自立してほしいという方のニーズがある限り、クライアント様と一緒にチャレンジしていきたいと思います。また、重い障害があっても、居宅介護支援の福祉サービスも行っており、USJなどと連携を強化しつつ、福祉サービスの社長もクライアント様を一生面倒を見させていただくという気持ちで頑張っています。薫化舎グループは、このように社会的資本を蓄積させながら、小さいですが社会的セーフティネットの役割も充実できればと考えています。
©️ 薫化舎 無断転載禁止