薫化舎グループでは、発達障害や知的障害があっても、運転免許の拒否等の対象にならない限り、自動二輪免許の取得を勧めています。ただし、視覚認知に対するプログラムを受ける方に限定しています。視覚認知能力を高めないと事故につながりやすくなり、安全が確保しにくくなるのと、ご本人のリスクコントロール力が高まらないからです。
現在は認知リフレーミング士の資格を持ったホンダ関係の自動二輪車の専門家の方が、小さなオフロードバイク(125cc)で、公道以外の比較的平坦なオフロードで安全運転を含めた認知バイクトレーニングを実施しています。ここで、手取り足取りバイクの基本操作や安全教育を受けて、少しずつ運転できるように促していきます。自転車が乗れなかったような方でも、基本的なバイクの操作ができるようになりますね。発達の課題があっても皆さん上手に運転できるようになります。
その後は、希望される方は道路交通法の勉強を行なって、原動機付自転車の免許や自動二輪運転免許を教習所で取得できるように案内します。この時に、一般社会での法律遵守を実体験を合わせて学んでいただき、規範教育へとつなげています。試験に合格して運転免許が取得できると成功体験へとつながり、今まで失敗ばかりだった方が多いので自尊心が回復します。次のチャレンジに繋がっていきますね。
自動二輪車(MT)を認知リフレーミング技術のトリートメントプログラムとして活用する狙いは次のようなところです。
認知リフレーミング技術により視覚認知の改善を行うと、粗大運動、巧緻性、言語能力(学習力)が連動して高まっていきます。
バイクの引き起こし、クラッチ操作、ギアの変速、ブレーキングなどの操作による粗大運動能力の向上につながります。
速度調整と運転姿勢のバランス、ギア比とカーブのコース取り、リーンインやリーンアウトなどのコーナリングの体重移動、細かなクラッチ操作などの巧緻性の向上が期待できます。
そして、バイクを乗る人には仲間意識があり、転倒したり、故障してもお互いに助け合う文化にも接することができることもあります。社会性や学習能力のトレーニングにもつながることが多いですね。
このように、自動二輪車も安全に気をつけて、活用すれば、危険はありますが、良い成長のためのツールとして活用できます。また、常に危険と隣り合わせですので、集中力やセルフコントロール力が求められます。危険だからと避けるのもいいですが、チャレンジする、させてみることも一考する価値はありますよ。
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