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ビジョントリートメント®(眼鏡店)

ようやく、新しいタイプのオプティカル・ショップ(眼鏡店)を開店することができました。このお店は、従来の視力検査だけでなく網膜の反応も合わせて測定してメガネを作成する事ができます。これは、私の一つの夢でもありました。


今から10年ほど前に、当時開発した技術によって読み書きの困難を克服した子どもさんのお母様が、「将来まちかどで、うちの子供達のように学習障害が簡単に気軽に治せるようになったらいいですね」と言われたことがありました。素直なお心でのお言葉にハッとし、これをお店として展開して実現しなければという目標となりました。


当時は、この技術の一般化が難しく、私以外は使う事ができませんでした。それだけでなく、当時この技術に対する批判や疑問が寄せられ、一般化には限界があったのも事実で、まちかどで比較的安く簡単に実施できるなどは夢のまた夢だったからです。


また、プログラム自体がとても高度なシステムでしたので、人的、物的コストがかかりました。ですので、富裕層の方しかご依頼をお受けできず、まちかどからは遠いものでした。現在でも、深い問題をお待ちの方のためのフルプログラム(マルチモーダルインターベンションシステム®︎)は400万円程度かかります。寮生活プログラム場合は、1,500万円を超えて行きます。


プログラムは、発達の課題を克服させるだけでなく、犯罪行動や逸脱行動を修正して進学や就労までフォローしますので大掛かりです。特に非行や薬物依存などを対象とする寮生活プログラムは、24時間体制なので赤字になるほど人件費などがかかります。まあ、少年院などでは、年間一人当たり実質3,000万円程度かかるといわれていたので、それに比べると安いですが、個人で負担するとなると大変です。


ですので、民間でやるにはそのようなコスト上の問題があり、上記のお母様が言われていたようなシステム開発はコストを下げて効果的に行えなければ夢は叶いません。


加えて、提供プログラムの背景には、私の長い研究実践が体系化されて見えないところで機能していることも課題でした。犯罪、非行の世界からですが、学習障害という概念をテーマにいただき、非行原因の一つとして研究、実践を行なってきた期間が38年にもなります。その間、当時最先端であったイギリスの学校へプログラム調査に行ったり、オックスフォード大学の教授などに教えてもらいに行った事などもありました。


また、米国などのDI(ダイレクトインストラクション)、学習スタイルをターゲットにした4MATシステムや、行動主義によるプログラム、認知行動療法などを研究し、学習障害をターゲットとして効果的な処遇を求めて実践してきました。ひとりでも多くの方が、これらの学習上の困難を乗り越えて非行から立ち直って欲しいという純粋な思いからです。

現場では、職員とともに勉強を重ね、様々な実践を行い、研究発表を重ねてきたことも大きな財産になっています。


このような経験がベースになっているため、どうしてもプログラムが複雑化して、一般化しにくいという問題が内包されていました。私の親友の心理学者は、私以外には無理!とアドバイスしてくれたほどでした。しかし、諦められず学習障害の克服技術だけでも一般化しなければならないと考えて、ターゲットをシンプルにして特許化していきました。


それは、学習障害とされる一部の方が従来から指摘されていた大脳皮質上の問題ではなく、目からの情報入力の網膜反応の問題であることの発見です。これに焦点を当てれば生物学的反応なので、誰にでも対応できると考えて特許技術化したのです。

下の特許の一部を読んでいただくとわかりますが、専門的な知識等を有するものによらずに…。となっています。


特許の内容
発明の効果】
【0015】
本発明の特性情報収集方法および特性情報収集装置は、専門的な知識等を有する者によらずに、また被検者の主観をできるだけ排除して、被検者の見え方の特性情報を収集できる。さらに、被検者の見え方の特性情報を集計し、分析することもできる。


これで、この技術を活用してまちかどで、お困りの皆さまにサービスをご提供できるようになります。当然その後のフォローも必要ですが、ベースがしっかりしますので、応用は可能になります。


そして、この特許技術を使えるように、一般社団法人日本認知リフレーミング協会を設立し、認知リフレーミング士という専門家を育成して、特許技術の一部を活用できるようにしました。現在、医師や薬剤師、管理栄養士、弁護士、教師、福祉関係者などの専門職の方から保護者の方まで約100名の方が資格を取得していただきました。これで、ひとりでも多くの方の学習障害や学習上の問題を解決できる可能性が高まったといえます。まちかどでの第一歩でもあります。


しかし、これを行うためには特許技術に基づいた特性情報収集装置の製造が必要になります。探してみると、日本の企業は素晴らしく、こんな小さな技術のために、HOYA株式会社様、株式会社山本光学様、ニデック株式会社様、株式会社前澤金型様から装置と製品を供給していただけるようになりました。日本の製造技術のすごさを感じました。夢が現実になった瞬間でもありました。


一つの新しいお店を開くために、このような背景が隠れています。クライアント様から頂いた夢や希望、コストとの戦い、特許技術の開発、生産システムのご協力、弊社の役員の働き、多くの方のお力添えの賜物でこのビジョントリートメント店の1号店を開設する事ができました。これでまちかどで!の第一歩となりました。


このような夢の一つが実現できたことをこの場をお借りして感謝申し上げますとともに、本店をご愛顧いただければ嬉しく存じます。皆さまのご活用をお待ちしております。よろしくお願いいたします。



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